修善寺温泉街の喧騒から少し離れた、桂川のほとりに佇む「赤蛙公園」。ここは、文豪・島木健作が名作「赤蛙」の着想を得たとされる文学ゆかりの地であり、無料で四季折々の自然美を堪能できる、親子におすすめの癒しスポットです。

広さ約0.13ヘクタールとこぢんまりとしていますが、その魅力は季節ごとに輝きを増します。特に春、3月下旬から4月上旬にかけては、しだれ桜などが園内を彩り、夜にはライトアップも実施。幻想的な夜桜は、お子様の心にも春の美しい思い出を刻むでしょう。「いずいず桜めぐり」などのイベントが開催されることもあり、春のお出かけにぴったりです。

そして初夏のお楽しみは、なんといっても「ほたるの夕べ」。5月下旬から6月中旬頃、日没後の20時頃になると、園内の清流に天然のゲンジボタルが舞い始めます。無数の柔らかな光が織りなす光景は、まさに自然のイルミネーション。都会では味わえない感動体験を、ぜひ親子で分かち合ってください。蛍鑑賞の際は、蛍を驚かせないよう懐中電灯の光を直接向けない、静かに観察するなどのマナーを守りましょう。また、足元が暗く小川もあるため、歩きやすい靴を選び、小さなお子様からは目を離さないようにしてください。

公園内に遊具はありませんが、修善寺温泉街の散策途中に立ち寄り、川のせせらぎを聞きながらベンチで休憩したり、お弁当を広げたりするのに最適です。すぐ近くには風情ある「竹林の小径」や由緒ある「修禅寺」などの観光名所も点在しており、赤蛙公園を拠点に周辺散策を楽しむのもおすすめです。文学の香りに触れ、自然の美しさに心癒される赤蛙公園へ、ぜひご家族でお出かけください。