久野城址

久野城址は、明応年間に今川氏の家臣久野宗隆により築かれたと伝えられる平山城の跡で、袋井市指定史跡です。放射状丘陵を利用した縄張りに本丸を中心とした曲輪、堀切、土塁、横堀、井戸などの遺構が残り、小さなお子さんと一緒に戦国時代の城郭を体感しながら探検できます。

発掘調査では掘立柱建造物、城門、櫓、柵、塀の跡が発見され、出土品として瓦類、陶磁器、中国製磁器、漆椀、箸、銭貨、金属製品、石臼などが多数見つかり、当時の豊かな生活や瓦葺き建物、茶道の風習、鉄製品製造の様子がうかがえます。松下氏時代の大改造や北条氏による破却の痕跡も確認され、戦う城から統治の役所への変化を物語っています。

久野城址保存会が発足以来、宅地造成から守り、公有地化を進め、階段や案内板を整備。復元イラストやパンフレットも用意され、家族で歴史を学びながら自然の中を歩くのに適した場所です。東海道の街道監視を目的とした戦略的位置づけが、本丸からの眺めからも感じられます。